2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

簡単だけど近づけないこと

携帯で、パレスチナの子供の映像を目にした。 そこは、進行形の殺し合い空間。涙した。マスクを目元まで上げる。 簡単な話「人を殺しちゃいけない。」と理解している。 いや、本当は理解していないのか。私は、いつも遠い地域の他人ごとだ。 私は、目の前で…

交代

5:30 仕事を終えた駅までの道、人影はなかった。 昼間は見せない静かな広がり。辺りは暗い。 通り過ぎるコンビニだけが、切れ目のない勢いのある光を放っていた。 地下鉄の改札、出勤する人が数名でてくる。 階段を降り、電車に乗り込んだ。意外にも乗客…

穏やかな朝の音

「トトトッ」「タッ、タッ、タタ」、 「タッテ、タッテ、タッテ」「ポツ、ポツ」 目覚めから、雨の音がしている。私は、しばらく聞き分けていた。 「それ程強い雨ではなさそうだ。」 意識がはっきりしてくる。カーテン越しに明るさを確認した。 目覚ましに手…

帰宅後の楽しみ

「太陽、おはよう。」 私は、年末に買ったシクラメンに声をかけた。昼間は、室内から外へ出すことにしている。 私は、鉢を持ち上げた。虫がいないか蜂の下を見上げる。葉に隠れた次の蕾の大きさを覗き込んだ。順番に並ぶ小さな蕾達をみて、成長を感じ、喜び…

オイシイもの、マズイこと

テーブルの上に、何の変哲もなく、チーズ入りのパンがあった。 無条件に、袋から取り出す。見た目通り、チーズの香りが漂う。 ちぎりながらパンを頬張る。塩気、バターの風味、オイシイ。止まらなくなりそうだ。 「なぜ、テーブルの上にパンがあるのか?」 …

強き国の子孫

今日は、青空が広がっている。陽気に誘われて昼過ぎに散歩に出かけた。 日光が届かない場所は、少し雪が残っている。溶け出した水がアスファルトの上で凍っていた。反対に、日向は日差しが強く暖かい。太平洋側は、気候に恵まれていた。 土手に上がって遠く…

初雪

雪が降り始めた。 14時45分に、嫁と一緒に車に乗る。外は予定より早く、みぞれ混じりの雪となった。 15時、実家に着く。「ただいま。」「もう、出かけられる?」 「行けるよ」と準備万端。こちらが遅刻しないで何より。 今日は、母親の誕生日。私は「…

想い出せる記憶

「お酒はぬるめの」、「燗がいい」 電車で何度も心に舞い戻る、舟唄。青藍色のイメージで決まった映像付きです。 歌詞、テンポ、そして情景が脳裏に刻まれていた。 イントロも、それが出だしから、特別に惹きつけられることも覚えている。 思い出すと頭から…

心の瞬発力

今日は、お年寄りに席を譲る機会をいただけて、久しぶりに実行した。良かった。 電車で、お年寄りに席を譲るとき、私は例外なく心地が良く、幸福感につつまれた。 私は、席を譲ることができないときがある。後で決まって、罪の意識を感じた。 そうなることが…

神聖なもの

神宮近くの駐車場に車を駐め、鳥居まで歩いた。 鳥居は、遠くから見てもはっきり見え、笠木が空に反り返っていた。神の領域を主張するように威厳がある。 鳥居に着き、その脇で一礼した。大勢の参拝者。その流れに並び、手水舎で手水をとる。 本殿前で行列に…

季節感の損失

窓から見る青空に誘われて、午後から散歩する。散歩のコースは、土手を歩くことにした。 途中の道は、交通量もすでに普通に戻りかけていた。正月も終わりか。 余韻も残さず、過ぎ去った。社会は、切替が早い。 らしさを求めて土手へ向かった。 土手を登る。 …

徹夜明け

「ただいま。」と言いながら、玄関を入る。外から帰った体は、少し熱を感じてた。 階段を駆け上り、2階のソファに座る。窓から入る陽の光が顔に当たる。「ふっ」と息をはく。 体は少し前屈みに、緊張感が解けた。背中から腰かけて感じる重荷から開放される…

関心したこと

空は青空、遠くの方は白みがかっている。湿度は高いようだった。日陰に入るとやはり寒いが、日向では暖かい。 散歩に出かける。いつも通らない道を選んで歩いた。踏切を渡り角を曲がった、その先に空き地が広がっていた。 広場の奥の日当たりの良いところに…