穏やかな朝の音

「トトトッ」「タッ、タッ、タタ」、

「タッテ、タッテ、タッテ」「ポツ、ポツ」

目覚めから、雨の音がしている。私は、しばらく聞き分けていた。

「それ程強い雨ではなさそうだ。」

意識がはっきりしてくる。カーテン越しに明るさを確認した。

目覚ましに手を伸ばすが届かない。体を右側へ傾けて、もう少し先へ手を伸した。

まだ、届かない。仕方なく顔を上げ、棚の上を覗き込んで探す。見つからない。

「あれ。どこにいっちゃった。」

枕元にある時計を見つける。「何時?」鳴らなかった時計を掴み正面を見た。

「8:10」

「早く、起きないと。」

起きて、シーツ、掛け布団に空気を入れたたんだ。ベットを整える。

シャッターを開け、階段を上がる。2階のカーテンを開け、天を見上げた。

雲に覆われても意外と明るかった。空から落ちる雨粒の勢いを観る。

コーヒーをいれた。

「ゴーゴーッ、ガッガッ」

沸騰した水蒸気がゆっくり立ち上っている。

「ポツ、ポツ」垂れてきた。

「ちょろちょろ」コーヒーが溜まってゆく。

私は、ベットで聞いた雨の音を思い出しながら、コーヒーメーカーをのんびり眺めた。